(概要)
プエンテ・フィテロ(Puente Fitero)は、スペイン・カスティーリャ・イ・レオン州とナバーラ州の境を流れるピスエルガ川に架かる中世石橋で、サンティアゴ巡礼路「フランス人の道」を象徴する重要な通過点である。12世紀、クリュニー修道会の影響下で巡礼者保護に尽くした聖フアン・デ・オルテガの指導により建設されたと伝えられ、長さ約150メートル、11連の半円アーチをもつ壮大な構造が特徴である。ロマネスク期の堅牢な石積みは現在も良好に残り、周囲の麦畑と調和した素朴な景観を形づくる。
橋はカストロヘリスとイテロ・デ・ラ・ベガの間に位置し、広大なメセタ台地を歩く巡礼者にとって心身を休める節目の場所となってきた。中世には橋のたもとに巡礼宿や救護施設が設けられ、増水時の難所であった川を安全に渡すことで多くの命を救ったという記録が残る。石畳の路面には深い摩耗の跡が刻まれ、幾世紀にわたる足取りを静かに物語る。
現在は主に歩行者と巡礼者のための橋として保護され、周辺には小さな礼拝堂や休憩所が点在する。朝霧の中に連なるアーチや、夕陽に染まる川面の光景は特に美しく、メセタ区間屈指の撮影地として知られる。プエンテ・フィテロは、信仰と土木技術、地域共同体の慈善が結び付いた中世巡礼文化の結晶であり、サンティアゴへの長い道の精神を今に伝える貴重な遺産である。
(アクセス)
ブルゴス・バスターミナル発のAlsa などの路線バスに1時間程乗り、カストロヘリス停留所に下車して、バス停から橋まで 約11kmで2.5時間程歩く。➠ Map

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